こんにちわ!ぎょうざです
今回は、会社の利益について正しく理解できるように、解説していきたいと思います。
会社を経営するには会社がどういう状態になっているかを把握することは必須スキルになりますので、できるだけ分かりやすく説明していきますのでお付き合い下さいませ。
それでは、いきましょー

しょちょー。大好きな肉まんを販売する会社を作りたいよー

会社を作りたいって思うのは、いいことだね!でも、その前に会社の経営状態を把握できるように簿記について少し勉強しよう。

ボキ?骨を折られるの?なんか痛そうでやだ!

違うよ!ニクマンちゃん!
簿記というのは、簡単にいうのを家計簿みたいなものだよ。どれだけ、資産を持っててどれだけ会社が儲かっているのが分かる成績表みたいなものだよ。
本記事を読むとわかること
簿記の基本的なことが理解できる
損益計算書の見かたが分かる
損益計算書の5つの利益について分かる
損益計算書をみて経営状態を把握できるようになる
本記事の信頼性

ぎょうざ (@gyouza_maney)
この記事を書いている僕は、経営に関するの資格を多数保有しており、現在は複数の会社を経営しております。
簿記について

貸借対照表と損益計算表
仕事をしている人は、簿記という言葉は馴染みが深いと思います。
簿記で使うものとして、代表的なものとして貸借対照表と損益計算書があります。
貸借対照表は会社がどれだけお金や建物や機械を持っていてどれだけ借金をしているのかが分かり、主に会社の資産や負債がどれぐらいあるのかが分かります。
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簿記が分からない人でも大丈夫!貸借対照表を理解して会社が危険かどうか判断しよう!
損益計算書は、会社がどれだけ売上をあげて、利益を出せているのかが分かります。
今回はこの損益計算書をメインに解説していこうと思います。
損益計算書は収入グループと費用グループに分かれる

収入と費用の計算シュミレーション
せっかくなのでニクマンちゃんの肉まんを販売する会社を設立して1年間の収入や費用を仮で数字で表してみましょう。
ニクマンちゃんの会社がどうなるか一緒に見ていきましょう。

わーい!肉まんをいっぱいうるぞー!立派な会社に成長させるぞー
会社名は株式会社NIKUMANだ

じゃあここでシミュレーションをするためいくつか質問するね。
肉まんの年間売上とニクマンちゃんの給料と従業員さんの給料をきめてくれる?
お店や肉まんを作るための機械は購入する?それとも借りる?

肉まんの売上は、1年間で1000万円は欲しいな。
僕はしゃちょーだから500万円!
それからぼくはおじいちゃんおばあちゃんが大好きだから2人採用するのだ!お給料は2人で100万円ずつ。
それから、ぼくには貯金がないからお店も機械も借りるのね。

会社の設立にはある程度、資金が必要になってくるけど、貯金がないニクマンちゃんは銀行からお金を借りる必要があるね

お金を貸してください。

本来ならトイチ(10日で10%)で貸してやるけど、ワシは優しいから特別に100万円を年利5%で貸してやるで! ※トイチは違法です

わーい!嫌味ガニさん、肉まん買ってね
㈱NIKUMANの1年間収支明細
収入の部
1,000万円(肉まんの売上高)
120万円(国からの助成金 【60万円×2人分】)
1,120万円(1年間の収入の合計 )
費用の部
300万円(肉まんの材料費 【肉まんの売上1,000万×30%】)
500万円(ニクマンちゃんの給料 )
200万円(従業員の給料 【100万円×2人分】)
48万円(お店の家賃 【4万円×12ヶ月】)
12万円(肉まんの製造機械賃借料 【1万円×12ヶ月】)
18万円(水道光熱費 【1万5千円×12ヶ月】)
5万円(銀行への利息の支払い【100万円×5%】)
5万円(肉まんの盗難被害 )
1,088万円(1年間の費用の合計 )
会社の利益(税引前)
32万円(収入合計1,120万-費用合計1,088万)
以上のような結果になりました。上記だと会社の利益は32万円(税引前)になります。

わーい!黒字だ!さすが僕の会社だね。健全な経営ができている証拠だね。

確かに、黒字だけど今のままだと健全な経営とはいえないよ。

なんで?赤字じゃないし、さては僕が儲かっているから嫉妬してんだな
確かに上記の例では、黒字経営ですが、経営状態はよくありません。
なかには、家賃や水道高熱費が安すぎて実態とあっていないとか、他にも発生する費用があるなどの声が聞こえてきそうですが、今回は分かりやすくするため、その点はご了承下さいませ。
それでは、まず損益計算書を分解していこうと思います。
損益計算書上の5つの利益とは

5つの利益と各収支項目について
損益計算書は大きく5つ利益に分かれます。それは、以下の通りになります
5つの利益
1.売上総利益
【1番目の利益、粗利益とも言われてます】
2.営業利益
【2番目の利益、本業の利益とも言われています】
3.経常利益
【3番目の利益、営業利益から他の事業活動による収支をひいたもの】
4.税引前当期純利益
【4番目の利益、経常利益から特別な収支をひいたもの】
5.当期純利益
【5番目の利益、税引き前当期純利益から法人税等の税金をひいたもの】
さらに上記の利益を分かりやすくするため、損益計算書の各収支の項目も一緒に並べてみます。
損益計算書(各項目一覧)
❶売上高:商品やサービスの販売金額
❷売上原価:売上をあげる為に仕入れた費用
1.売上総利益(❶売上高から❷売上原価をひいたもの)
❸販売費及び一般管理費:商品を販売する為に使った費用
2.営業利益(1.売上総利益から❸販売費及び一般管理費をひいたもの)
❹営業外収益:主たる事業以外で発生した収益
❺営業外費用:主たる事業以外で発生した費用
3.経常利益(2.営業利益から❹営業外収益を足して❺営業外費用をひいたもの)
❻特別利益:特別に発生した利益
❼特別損失:特別に発生した費用
4.税引前当期純利益(3.経常利益から❻特別利益を足して❼特別損失をひいたもの)
❽法人税等:法人税等の税金の支払い額
5.当期純利益(4.税引前当期純利益から❽法人税等をひいたもの)
図で表すとこんな感じです。↓

さらに図解のイメージを損益計算書で表すと以下のようになります
それでは、株式会社NIKUMANの経営成績について1つずつ利益を分解して実際に見てみましょう。
1つ目の利益:売上総利益
まず売上総利益(粗利益)を見てみましょう。
売上総利益は商品の売上から商品の仕入れ額や製造するまでにかかった費用をひいたものになります。
つまり、商品をどれだけ安く仕入れることができているかや商品にどれだけ付加価値をつけられているかが分かります。
この粗利益が高いと会社として稼ぐ力が高いと言えます。
例でいくと肉まんの売上は1000万円になります。
売上原価は肉まんの材料費の300万円、肉まんを作るための機械の賃借料(リース料)12万円、それと水道光熱費が18万円かかっていますが、そのうち肉まんを作るためにかかった水道高熱費は6万円(残りの12万円は肉まんの製造以外でかかった費用)とします。
そうすると、売上総利益は682万円になります
売上総利益
売上(1000万)-売上原価(300万+12万+6万)=売上総利益(682万円)
2つ目の利益:営業利益
2つ目は営業利益です。
営業利益は売上総利益から商品を販売するためにかかった費用をひいたものになります。つまり人件費や家賃などの支払いをしてのこった金額なので、本業でどれだけ稼ぐことができているかが分かる数字になります。
株式会社NIKUMANの場合は売上総利益が682万円で、ニクマンちゃんの給料が500万円、従業員2人分の給料があわせて200万円、家賃が48万円、水道高熱費が12万円(18万-売上原価の水道光熱費6万)になり、営業利益は-78万円になり赤字になります。
営業利益
売上総利益(682万円)-販売費及び一般管理費(760万【500万+200万+48万+12万】)=営業利益(-78万円)
つまり、本業では稼げていないということがこれで分かります。

なぜ!?こんなことに、従業員さんをクビにしないといけないってこと?

従業員さんをクビにする前に大切なところを見落としているよ。上の中の費用で一番高いものは何かな?

あっ!ぼくのお給料だ・・・。

そのとおり!今の売上では、ニクマンちゃんの給料が高すぎるということだよ。
仮に500万円から400万円にすると営業利益が100万円増えて22万円になり赤字から黒字に転換するね。

むむむ・・。しかたがない。ぼくの給料をさげるよ。でも、もっと頑張って売上をあげていつか500万円の給料をめざすよ

いい心構えだね。頑張った従業員さんの給料もあげてあげてね。
3つ目の利益:経常利益
s3つ目は経常利益です。s
経常利益は営業利益から本業以外の収益や費用を差し引いて残ったものになります。
つまり経常利益が営業利益よりも高くなった場合には、本業以外で収入を得て稼いでいることが分かり、逆に低い場合は本業以外にかかっている費用があるといことです。
本業以外の収入を営業外収益といい、例えば助成金や本業は飲食業なのに不動産を保有していて、それを貸し出し家賃収入を得ているなどがあります。
本業以外の費用を営業外費用といい、銀行から借りた利息の支払いや有価証券を売却して出た損失などが該当します。
株式会社NIKUMANの場合は営業利益が-78万円で、営業外収益が助成金の120万円、営業外費用が銀行へ利息の支払いの5万円で経常利益は37万円になります。
経常利益
営業利益(-78万円)+営業外収益(120万円)-営業外費用(5万円)=経常利益(37万円)

あれ?さっきまで赤字だったのが黒字になってる

助成金のおかげだね。但し、助成金は毎年もらえるものではないので本業で利益を出すことを考えた方がいいね。
ちなみに経常利益(けいじょうりえき)は、経営者の中で、「けいつね」って読んでいる人も多いから、その言葉を聞いたら経常利益のことだと認識しよう。
4つ目の利益:税引前当期純利益
4つ目は税引前当期純利益です。
税引前当期純利益は、経常利益から特別に発生した収入や損失を差し引いてのこったものになります。
特別に発生した収入を特別利益といい、例えば土地を保有していて、それを売却して一時的に売却益が出た場合などが該当し、特別に発生した損失を特別損失といい、震災で建物を失ってしまった場合や盗難で商品がなくなった場合などが該当します。
つまり、臨時的に発生したもので継続的には発生しないものが該当します。
株式会社NIKUMANの場合は経常利益が37万円で、特別収益がなく0で、特別損失は肉まんの盗難被害の5万円になり税引前当期純利益は32万円になります。
税引前当期純利益
経常利益(37万円)+特別利益(0円)-特別損失(5万円)=税引前当期純利利益(32万円)
5つ目の利益:当期純利益
最後に当期純利益です。
当期純利益は、税引前当期純利益に対して税金がかかりそれを差しひいたものが当期純利益になります。
その税金とは法人税のことです。法人税にはいくつか種類があり、利益が出ていなくでもかかる法人税の均等割というものがあります(約7万円)。
その他にも法人事業税、法人住民税などの税金がかかってきます。
それらを法人税等といいます。つまり当期純利益は、税金を払った後の最終的に会社に残る利益のことをいいます。
今回は分かりやすくするため、利益に対して30%の法人税等がかったとして試算してみます。

法人税は会社の規模や利益の額に対して税率が違ったりします。詳しくはまた別の機会でお話します。
株式会社NIKUMANの場合は税引前当期受が32万円で、法人税等は9万6千円(32万円×30%)になり当期純利益は22万4千円になります。
当期純利益
税引前当期純利益(32万円)-法人税等(9万6千円)=当期純利益(22万4千円)
まとめ: 損益計算書で経営状態を把握できる
いかがでしたでしょうか?株式会社NIKUMANは、最終的には黒字経営でしたが、よくよく見るといくつか問題点が出てきましたね。
今回は極端な例でやりましたが、実際に多くの会社の損益計算書を見て分析すると、本当に勉強になります。
たくさんことが見えてきて会社の中身がわかってきます。
大企業などはホームページで損益計算書を公開していますので、気になる会社を見てみて下さい。
それでは、最後にまとめに入りましょう。
まとめ
簿記で代表的な会計書類として貸借対照表と損益計算書がある
貸借対照表はどれだけの資産を持っているかが分かり、損益計算書は利益がどれくらいかが分かる
損益計算書は5つの利益に分かれる
5つの利益は、売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益である
各利益を分析することで、本業で稼げているかなどが分か
今回は基本的なことを解説しましたが、会社の分析も奥が深く、営業利益率や粗利率(売上に対する各利益の割合)などの指標を使ったり、今回は紹介しませんでしたが、貸借対照表とキャッシュフロー計算書なども使って分析する手法もあります。
これら活用することで更に深い分析が可能になります。
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少しでもこの記事が参考になれば嬉しいです。