経済

GDPを違う視点で見てみよう!三面等価の原則についてわかりやすく解説

2021年3月30日

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こんにちわ!ぎょうざ(@gyouza_maney) です。

今回は前回の記事の続きで、GDPについてもう少し深堀りしていきます。

前回の記事を見ていない人は、一度見てからこの記事を読んでいただけますと幸いです。

参考記事
今さら聞けない!GDPについて正しく理解しよう

続きを見る

前回のGDPでは生産からの視点で見てきました。

他にも分配からの視点支出からの視点でGDPを見ることができます。

そして、この生産分配支出のGDPは必ず一致するという考え方があり、これを三面等価の原則と言います。

今回はこの三面等価の原則について解説していきますので、最後までお付き合い下さい。

それではいきましょー

ニクマン

何か難しそうだな。

ぎょうざ

できるだけわかりやすく説明するね

本記事を読むとわかること

生産と分配と支出からの視点でGDPが分かるようになる

三面等価の原則について理解できる

経済のお金の流れが分かるようになる

経済についての理解が深める

本記事の信頼性

ぎょうざ (@gyouza_maney)

この記事を書いている僕は、お金の専門家であるファイナンシャルプランナーの資格を保有しており、現在は複数の会社を経営しております。

三面等価の原則

どの視点からみても一致する

では、さっそく三面等価の原則について解説していきます。

三面等価とは言葉の通り、あるものを3つの側面から見ますが価値は一緒ということです。

見ている面は違うが、結局は同じものを見ており、イメージは3面鏡の前にサイコロが置いてあり、各鏡の面ではサイコロの面は別々に映っていますが、結局はどの面もサイコロを映しているので同じものを見ているということです。

三面等価のイメージ

この3つ面を生産分配支出の視点から見ていくのが三面等価の原則です。

そして見ているのはGDPになります。

では、簡単に付加価値を生み出す会社のお金の動きを見てみましょう。

お金の流れ

まずモノやサービスが生産されます

生産されたものが会社の売上になります

売上が会社の利益、社員の給料や政府への税金に分配されます

会社、社員、政府は分配されたもので買い物等をして支出をします

これが基本的なお金のフローになります。

そして三面等価の原則の考え方は生産、分配、支出されたものは事後的には必ず一致するというものです。

例えば、商品を100万円分生産した場合には最終的に、100万円の売上になり、100万円が分配されて、100万円が支出されるということです。

イメージは下記のとおりです。

つまり下記の関係性が成立します。

生産面のGDP=分配面のGDP=支出面のGDP

ニクマン

でもさ、生産したものが全部売れるとは限らないんじゃない?

ぎょうざ

とてもいい質問だね。確かに生産したものがすべて売れるとは限らないね。つまり在庫として商品が残ることになるね。

実は在庫として残ったものは、会社に商品が残ることになるので少し無理やりですが、会社に分配されたと考えるのです。

つまり、100万円が生産されて10万円分の在庫がでた場合は90万の売上になり、通常であれば90万円が分配され、生産と分配との差が10万円になります

しかし、在庫は10万円分が会社に分配されたと考えるので、通常の90万の分配と在庫の10万円の分配で合計で100万円になるようにします。

これで生産と分配が一致することになります。

では支出はどうなるかですが、支出の場合も在庫を将来のためにあらかじめ作っておいたと考えるのです。その場合は在庫投資と考えて支出も10万円分したと考えるのです。

ではここからは、具体的に生産面から見たGDP分配面から見たGDP支出面から見たGDPを見ていきましょう。

生産面から見たGDP

はじめは生産面から見たGDPですが、これは前の記事でも説明したとおり付加価値の総額になります。

つまり、一定期間内に国内で生産された付加価値の合計が生産面のGDPになります。
式に表すと以下の通りです。

生産面から見たGDP = 新たに生み出された付加価値の合計

分配面から見たGDP

続いて分配面からみたGDPを見ていきます。分配とは所得のことでもあります。
これまでの説明の通り、生産されたものは、家計企業政府の所得へと分配されることになります。

先に式で表すと以下の通りです。

分配面から見たGDP = 雇用者所得営業余剰固定資本減耗間接税補助金

家計への分配は、給料のことで雇用者所得という名目で分配されます。

企業への分配は、企業の利益のことで営業余剰という名目で分配されます。

また企業は生産活動を行うにあたって、生産設備が必要になってきます。そして生産設備は、利用すればするほど古くなり設備の価値が減少していきます。

この減少していくものを会社の会計上では減価償却費として費用として計上します。

ニクマン

減価償却費って聞いたことがあるような。

ぎょうざ

減価償却費は、過去の記事で少し説明したよね。例えば会社の売上が100万円あった場合に、その年に200万円の車や設備を購入した場合、200万円を費用として計算してしまうと、100万円の赤字(100万-200万)になるよね。
でも通常はその車や設備を10年ほど使うとした場合、毎年の費用は20万円(200万円÷10年)にした方が会社の利益を計算する時には合理的だよね。

この耐用期間に合わせた費用の算出を減価償却費というんだ。

参考記事
所得の種類を把握をしよう!あなたはいくつ知っていますか?

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この減価償却費は分配面からみたGDPの項目の固定資本減耗とういう名目に入ってきます。

ニクマン

費用で計上するから分配ではなく支出じゃないの?

ぎょうざ

今日のニクマンちゃんは冴えてるね。確かに減価償却費は費用で会社の利益を計算する時の支出になるけど、現金は直接動いていないんだ。

ニクマン

どうゆうこと?頭が混乱してきたよ

ぎょうざ

減価償却費は車や設備を買った瞬間には支払いがあり現金の動きはあるけれど、毎年一定の金額を費用として計上していくから、2年目以降は現金が動いていないよね。
上記の例だと買った年に200万円のお金が支払いのために動いているけれど、2年目以降は支払が終わっているからお金は動いていないよね。
でも毎年20万円の費用として、利益の計算には使うんだ。
だから減価償却費は非現金支出と言われているんだよ。

ニクマン

わかったような、わからないような。。。

イメージしやすいように税金を無視して極端な例で考えてみましょう。

売上が100万円で給料の支払いが80万円、減価償却費が20万円の場合、会社の利益は0円になります。(100万−80万円-20万)

しかし、生産と分配は一致するので、上記だと生産が100万円、分配は雇用者所得の80万円営業余剰が会社の利益が0なので0になります。

このままだと20万円あわないですよね。

でも減価償却費が20万円あるので、これは固定資本減耗という分配の項目になるので上記の式にあてはめると20万円が足されます。

結果、分配も100万円になります。(生産100万円=雇用者所得80万営業余剰0円固定資産減耗20万円

ニクマン

本当だ!減価償却費の20万円が足されることによって分配が80万から100万になったね

次に政府への分配ですが、これは税収になり上記の式では間接税−補助金が税収にあたります。

間接税とは消費税などが該当します。

補助金は国から企業へと支払うものなので、分配面ではマイナスの項目になります。

理由は補助金は企業の収入になり、最終的に補助金の分が営業余剰に入ってしまうので、2重で収入にならないように補助金という項目で差し引くようにしています。

ここまでが分配面から見たGDPになります。まとめると以下のイメージです。

分配面から見たGDPのイメージ

支出面から見たGDP

最後に支出面から見たGDPを見てみましょう。生産されたGDPは、企業や家計、政府へと分配され、その後はさまざまなサービスへと支出されます。

この支出されたものが、支出面から見たGDPになります。

同じように先に式で表してみましょう。

支出面から見たGDP=民間最終消費支出+国内総固定資本財形+在庫品増加+政府最終消費支出+経常海外余剰

ニクマン

おおすぎてわかんないんよ

ぎょうざ

ひとつひとつ解説するから頑張ってね。

民間最終消費支出は、消費者が食料品や衣類などを購入した合計額になります。普段の買い物で消費するものと思って下さい。

国内総固定資本形成民間投資公共投資を合わせたものです。

民間投資は住宅や設備などの投資のことで、公共投資道路、電気、水道などのインフラの整備や教育や福祉への投資などが含まれます。

在庫品増加は、原材料、仕掛かり品、売れ残った製品などの増加分のことで、はじめに説明した在庫投資がこれにあたります。

政府最終消費支出は、公共投資を除いた政府の消費になります。例えば医療や介護の給付費などがこれに該当します。

他にも外交、防衛、警察等のサービス活動に要した費用も該当します。

経常海外余剰輸出から輸入を差し引いたものになります。

例えば、100万円の商品を海外へ輸出し、60万円を海外から輸入で取り寄せた場合には経常海外余剰は40万円になるということです。

ここまでが支出面からみたGDPになります。

ぎょうざ

余談ですが、支出面からのGDPは国内総支出GDEと呼ばれています。

まとめ:三面等価の原則を理解すると経済の見え方も変わる

それではまとめに入りましょう。

三面等価の原則のまとめ

三面等価は生産、分配、支出の3つの面を見ていくものである
三面等価の原則の生産、分配、支出のGDPは事後的に必ず数字が一致する
生産面から見たGDPは新たに生み出された付加価値の合計である
分配面から見たGDPは雇用者所得+営業余剰+固定資本減耗+関節税−補助金で求められる
支出面から見たGDPは民間最終消費支出+国内総固定資本財形+在庫品増加+政府最終支出+経常海外余剰で求められる

いかでしたでしょうか?今回は色んな角度からGDPを見てきました。

新聞やニュースなどで定期的にGDP関連の経済データが出ています。

よくよく見てみると、今日出てきた言葉が出てきているはずです。

普段は流し読みやスルーしていた部分かもしれません。

しかし、今回の三面等価の原則を理解することで、経済データの項目についてある程度分かるようになっていると思います。

GDPのデータは国の経済力を測る上でとても重要な指標であるので、正しくデータを読めるようになることは本当に大切です。

参考記事
経済を読み解こう!名目GDP・実質GDP・GDPデフレーターについてわかりやすく解説!

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日本の過去や現状を踏まえ、GDPの推移をみることで今後の未来の日本について深く考えられるようになるかもしれません。

また世界各国のGDPと比較してみて日本の経済力を測るのもおもしろいです。

GDPを使った関連指標はまだ他にもあるので興味のある方は一度ご覧下さい。

参考記事
GDPとGNPの違いって何?NDP・NNI・NNPについてもわかりやすく解説!

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少しでもこの記事が参考になれば嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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  • この記事を書いた人

ぎょうざ

餃子を愛する社労士×CFP×経営者【経歴】体操競技一筋で大学卒業▶社会経験なしで経営者▶知識のなさにあせり経営やお金に関する資格を取得▶3社経営&ブロガー 【保有資格】 社労士/CFP/FP1級/簿記1級/ペット葬祭ディレクター1級/体育教諭免許/運行管理者/衛生管理者/損保募集人資格/等

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