
仕事でチーム力を上げたいんだけど、みんなバラバラでうまくいかないんだけど、どうしたらいいの?
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本記事を読むとわかること
マズローがどんな人なのか分かる
人間の5段階の欲求について理解できる
会社運営においてのマズローの欲求段階説の使い方が分かる
マーケティングにおいてのマズローの欲求段階説の使い方が分かる
本記事の信頼性

GYOUZA (@gyouza_maney)
この記事を書いている僕は、労務の専門家である社会保険労務士の資格を保有しており、現在は複数の会社を経営しております。
僕達人間は、生活や仕事をする上でさまざまな感情や欲求の中で生活をしています。
こうした人間の欲求について正しく理解ができると、仕事仲間のモチベーションを上げ、組織力が向上し、会社として成長できるかもしれません。
また人の欲求について理解することで、それに合わせた製品の開発やアプローチができる可能性があります。
今回は人間の欲求のメカニズムが分かる欲求段階説について、わかりやすく解説していきます。
それではいきましょー
マズローの欲求段階説とは
マズローってどんな人?
欲求段階説とは人間の欲求を論理的に表したものになります。
この欲求段階説を主張し、広めた人はアメリカの心理学者のアブラハム・マズローという有名な人で人間性心理学の最も重要な生みの親と言われています。

今は亡くなっていますが、人間の自己実現について研究し、心理学だけでなく経営学においても多大なる影響をもたらしました。

簡単にいうと自己実現により人間は成長するということを説きました。
この欲求段階説はマズローが説いたこともあり、「マズローの欲求段階説」と言われています。
この欲求段階説を紐解いていくと、実際の経営にも非常に役に立ち、組織力の強化に繋がる可能性があります。
今回は経営を主観において、働く人達の心理状況や動機付けを例として挙げながら解説していきます。
これらを理解することで社員のモチベーションを保つためのヒントになると思います。
人間の欲求は5段階に分かれる
マズロー欲求段階説は人間の欲求をいくつかの階層に分けて考える理論になります。
階層の数は、全部で5つになります。
5つの欲求の階層は以下のとおりです。
5つの欲求の階層
❶生理的欲求
❷安全の欲求
❸所属と愛の欲求
❹尊重の欲求
❺自己実現の欲求
この5つの欲求に優先順位があり、❶の生理的欲求から順番に欲求が発生し、その欲求が満たされることで、初めて次の❷の安全の欲求が発生していくような形です。
あくまでも順番に欲求が発生していくので、❶の生理的欲求からいきなり❺の自己実現の欲求へと移り変わるわけではありません。
またこの欲求は不可逆的な性質があり、上の階層の欲求が満たされないからといって、下の階層の欲求をより満たそうとはしないと言われています。
マズローの欲求段階説は、ピラミッドの形で表現され、数字が低いものが一番下にきます。
イメージはこんな感じです。
一番下の欲求が満たされることで、その上の欲求である2番目の欲求、3番目の欲求へと進んでいくので、上の位置の欲求ほど高い欲求と言えます。
逆に下の位置の欲求ほど低い欲求と言えます。

低い欲求のことを低次の欲求といい、高い欲求のことを高次の欲求と言います。
そして、欲求が映り変わることを低次の欲求から高次の欲求へと移り変わったという表現で表されます。

じゃあ、❺の自己実現の欲求が一番質の高い欲求ってことだね。
それでは、ここからは各階層の欲求について1つずつ解説していきましょう。
1つ目の欲求:生理的欲求

生活できるだけの給料や体に無理のない労働環境が欲しい
❶の生理的欲求ですが、これは生きていく上で最低限必要な欲求のことです。
例えば、「食べ物を食べたい」「眠りたい」「トイレに行きたい」など人間が生きていく中で絶対に必要な本能的な欲求のことを言います。
普通に考えるとこの生理的欲求がない人はいないと思います。

僕は肉まんを食べたい欲求しかないのね
この生理的欲求を会社の中で例えると、生活できるだけのお給料が欲しいであったり、体を酷使しない労働環境で働きたいといった欲求と見ることができます。
この欲求が初めにもたらされるものになります。
2つ目の欲求:安全の欲求

法令を遵守し、保険に加入させて欲しい
❶の生理的欲求が満たされると、次の高い欲求へと移っていきます。
それが❷の安全の欲求になります。
安全の欲求は、安全または安心を求め、恐怖や危険を回避したいとする欲求になります。
生きていくための欲求が満たされると、今度はその状態を守りたいと思うはずです。
つまり、万が一の出来事を防ぎたいという思いが出てくると思います。

万が一のことを考えて保険に入ることも安全の欲求になりますね。
この安全の欲求を会社の中で例えると、健康を害さない労働環境を保って欲しい、法律を守っている会社であって欲しい、社会保険に加入させて欲しいといった欲求と見ることができます。
3つ目の欲求:所属と愛の欲求

仕事仲間として受けいれられ、信頼できる上司や同僚が欲しい
❷の安全の欲求が満たされると、同じように高次の欲求へと移ります。
3つ目は所属と愛の欲求になります。
所属と愛の欲求は社会的欲求とも言われ、集団や社会に所属して、その中で連帯感を持ち、他者に対して友情や愛情を求める欲求になります。
集団の中に入ることで、一体感が生まれ、その中で仲間を作りたいと思いが出てきます。

1人で肉まんを食べるより、みんなで肉まんを食べる方が楽しいし幸せなのね。
所属と愛の欲求を会社の中で例えると、仕事仲間として認めて欲しい、相談できる上司や同僚がいて欲しい、尊敬できる経営者がいて欲しいといった欲求などが考えられます。
4つ目の欲求:尊重の欲求

仕事での達成感を満たし、会社から適正な評価をされたい
❸の所属と愛の欲求が満たされると次の❹の尊重の欲求を満たしたいと思います。
尊重の欲求は、承認欲求とも言われ、名声や地位を求めるようになり、他人から認められたい感情や他人よりも優れているということを認識したいという欲求になります。
自分の技術ややってきたことを他人にしっかりと見てもらいたい、評価されたいという感情が出てきます。

僕の凄さを認めて欲しいのねん
尊重の欲求を会社の中で例えると、仕事で誰かに認めてもらいたい、自分の仕事に達成感を味わいたい、仕事内で適正な評価をしてもらいたいという欲求が考えられます。
5つ目の欲求:自己実現の欲求

自分の可能性を信じ、新しい事業部を立ち上げたい
❹の尊重の欲求が満たされると最後の欲求は、❺の自己実現の欲求になります。
自己実現の欲求は、自分の潜在能力や可能性を発現させ、新しいことにチャレンジしたいという欲求になります。
自分を可能性を信じて、挑戦していきたいという感情が芽生えます。

僕がまだ誰もが作ったことがない世界で1つだけの肉まんを作るのね♪
自己実現の欲求を会社の中で例えると、自分のスキルやアイデアを活かして新しい事業部を立ち上げたい、自分の考え方を広めて社会に貢献したいなどの欲求が考えられます。
また、この自己実現の欲求はこれまでの4つの欲求とは違い、成長動機と言われ、満たされても満たされても、さらに成長したいという欲求が出てくるのが特徴です。

生理的欲求、安全の欲求、所属と愛の欲求、尊重の欲求の4つは欠乏動機といわれ、自分以外のものでしか満たすことができない欲求と言われています。
欲求5段階説のポイント

欲求が未成熟なら何かしらの原因がある
ここまでで5段階の人間の欲求について理解できたと思います。
最後にこの欲求段階説のポイントを整理していきたいと思います。
これまで述べてきた通り、欲求段階説は下位の欲求が満たされない限り、上の階層の欲求にはたどり着くことができません。
また、上の欲求を持つ人こそ、高い質の欲求を持っているということになります。
例えば、ある会社の社員全員が、安全の欲求までしか満たされていない場合は、言い方が悪いかもしれませんが、成長意欲が乏しい社員さんばかりだということになります。
そうなると組織として成長することができません。

自己実現までの欲求にたどり着いていないことを未成熟の状態と言います。
そして、会社には多くの社員さんがいるので、それぞれで欲求の度合いがバラバラになっているはずです。
社員の欲求レベルを向上するには、やはり経営者や上司が部下に対して、1人1人に向き合って何に価値観を置いているかを見極める必要があります。
例えば、パワハラやブラック企業の会社は、安全の欲求が満たされていないので次の社会的欲求にはたどり着くことはないでしょう。
仕事は個人でするものであり、責任も全て個人が取れという風習の会社の場合は社会的欲求が満たされていないので、尊重の欲求が出てこないと思います。
このように、社員の欲求が未成熟の場合は何かしらの原因があることは間違いないはずです。
ですので、このマズローの欲求段階説を見直し、会社や社員の成長に繋げるべきだと思います。
商品開発にも役立てることができる
ここまでは会社の社員さんの欲求について、解説してきましたが、マズローの欲求段階説は、商品開発にも役立てることができます。
つまり、お客さんである消費者の立場で考えて商品を開発することで、売上に貢献できるかもしれません。
例えば、カバンの場合は、カバンの中に仕事道具やお弁当といれると思いますが、使う目的は仕事の遂行や空腹を満たすためにそれらを守る、安全欲求が働いていると思います。
しかし、そのカバンにデザイン性を加えることで、お揃いのカバンにしたい、誰かに自慢したいといった所属と愛の欲求や尊重の欲求を満たすことができるようなります。
このように、商品開発に対してもマズローの欲求段階説は応用できますので覚えておいて下さい。
まとめ:社員の動機付けが会社の成長の鍵になる
それではまとめに入りましょう。
欲求段階説のまとめ
欲求段階説はマズローが説いたもので、心理学だけでなく経営学でも注目されている
人間の欲求は5段階で、生理的欲求、安全の欲求、所属と愛の欲求、尊重の欲求、自己実現の欲求に分かれる
欲求は、低次の欲求が満たされることで、初めて上の階層の高次の欲求を満たそうする
労働条件が悪い会社は欲求レベルが低いため改善しないと社員の欲求レベルは上がらない
人によって欲求レベルはバラバラなので、1人1人と向き合うことで欲求レベルが向上し組織力も高くなる
欲求段階説は消費者ニーズを掴むことができ、商品開発にも活用できる
人間は欲求を満たすことで、人間は高いレベルの欲求を求めるようになるということは分かったと思います。
これは、人間は成長していくと言い換えることもできると思います。
しかし、社員さんが成長するためには、やはり動機付けが大事であり、その為にも社員さん1人1人について理解してあげることが必要だと思います。
社員さんの中には、お金が動機付けとなっている人も多いと思います。
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但し、お金の欲求は安全欲求までしか満たすことができません。
会社として成長していくためには、さらに高い欲求が出るような環境整備が必要だと思っています。
そして、人間はどこまでも成長できると僕は思っています。
実は、このマズローの欲求段階説は5段階ではなく6段階あるとも言われています。
それは「自己超越」です。
自己実現の欲求をさらに進化させたもので、個人の夢の実現ではなく周りの人や社会のために貢献したいという欲求です。
ここまでいくと、人として本当に素晴らしいし、多くの人達がその人に力を貸し、社会全体で成長できると思います。
多くの人の欲求が成長することで、この社会も良くなるのではないでしょうか?
少しでもこの記事が参考になれば嬉しいです。