こんにちわ!ぎょうざです。
いきなりですが、GDPとGNPの違いって分かりますか?
GDPはよく聞くけど、GNPって何ぞや?と思われる方やGNPについて学生時代に習ったけれど、忘れちゃったという人もいると思います。
GDPがよく分からないという人は下記の記事を読んでから、この記事を読むとちゃんと理解ができますのでご安心下さい。
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今さら聞けない!GDPについて正しく理解しよう
経済を勉強する上でこの両者の違いを理解することは必要です。
また今回は、NDPやNNI、NNPといいった指標についても解説します。
英語の文字ばかりが並んで、読みたくない気もしてしまうかもしれませんが、できるだけ分かりやすく説明しますので最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
それではいきましょー

ZZZ・・・。

ニクマンちゃん!ごめんね!
英語ばっかりの文字だからだよね。

何かGNP、NNなんちゃらとか聞こえたから、子守歌だと思ったのね。

ちゃんと分かるように説明するから、最後まで聞いてね。
本記事を読むとわかること
GDPとGNPの違いについて分かる
NDP・NNI・NNPの違いについて分かる
各経済指標についての理解が深まる
本記事の信頼性

ぎょうざ (@gyouza_maney)
この記事を書いている僕は、お金の専門家であるファイナンシャルプランナーの資格を保有しており、現在は複数の会社を経営しております。
GDPとGNPの違いについて

国内総生産GDP
説明する前にGDPについて、まず復習をしておきましょう。
GDPとは国内総生産とも言われ、一定期間内に国内で生産された付加価値の合計をいいます。
つまりは日本国内のもうけの合計のことを指します。
例えば、スーパーでパンが販売されるまでのGDPを見た場合は、下記の図解のようになります。

日本国内では、さまざまサービスが提供されているので実際はパン以外のさまざまな付加価値がGDPに含まれていきます。
ちなみに日本のGDPは、2021年度で名目GDPで約541兆円、実質GDPで約537兆ぐらいです。

名目GDPは生産された数量に市場で販売されている価格の合計で、物価変動率を実質GDPとは物価変動率を除いたGDPのことを言います。
詳しくは下記の記事で解説しています。
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経済を読み解こう!名目GDP・実質GDP・GDPデフレーターについてわかりやすく解説!
国民総生産GNP
では、続いてGNPについて見ていきましょう。
GNPは国民総生産とも言われ、一定期間内に国民が生み出した付加価値の合計をいいます。

さっきのGDPと何が違うのさ

GDPは国内でGNPは国民だよ。

国内と国民?どうゆうこと?
紛らわしいですが、GDPは国内で生み出された付加価値の合計でGNPは国民が生み出した付加価値のことで、分かりやすく言うとGNPは日本国民が生み出した付加価値のことで、例えば日本人が海外で音楽のライブを行った場合に演奏という付加価値が発生します。
この場合、演奏場所は海外であるため、GDPの概念である国内で生み出した付加価値には該当しないのでGDPには含めません。
しかし、日本人が演奏しているので、日本国民が生み出した付加価値になります。
つまり、日本国民が生み出したGNPには含まれるということになります。
逆に海外の人が日本国内でライブをした場合は、先ほどと逆になり、外国人が日本国内で演奏という付加価値を生み出したのでGDPには含まれ、日本国民でないためGNPには含まれないことになります。
例えば日本企業(日本人)が海外の土地で生み出したもうけは、GDPには含まれずGNPには含まれるということです。
つまり、GDPは国内という地理的な要素の「どこで」経済活動が行われたかを見て判断し、GNPは国民という人的な要素の「誰が生産したか?」に着目して判断します。
これがGDPとGNPの違いになります。

僕が海外で肉まんを販売した場合は、GDPには入らず、GNPには入るってことだね。

そのとおり!
(でも、ニクマンちゃんって日本国民っていっていいんだろうか?・・・。聞かないでおこう。)
GDPとGNPの関係
そして、GDPとGNPには経済学では以下の関係の式が成り立ちます。
GDPとGNPの関係
国民総生産GNP=国内総生産GDP+海外からの純要素所得受取※
※海外からの要素所得受取-海外への要素所得支払

むむむ。海外からの純要素所得受取?また難しい言葉が出てきたのね。
海外からの純要素所得受取とは、式で見ると海外からの要素所得受取から海外への要素所得支払を差し引いたものになるですが、分かりやすくいうと海外に住んでいる日本人が生み出した付加価値(海外からの要素受取)から日本に住んでいる外国人が生み出した付加価値(海外への要素所得支払)を引いたものです。
例で数字を出してGNPを表すと、国内で生み出された一定期間のGDPが100万円であったが、その期間中に日本人が海外で50万円もうけた事実と日本国内で外国人が30万円もうけた事実があった場合はGNPは120万円(100万円+(50万円-30万円)になるということです。

国内純生産NDP

GDPから価値の目減り分を差し引く
ここまででGNPについてご理解いただけたと思います。
続いてNDPとういう指標について説明させてもらいます。
NDPとは国内純生産とも言われてます。GDPが総生産に対してNDPは純生産です。
ちなみGDPはGrossDomesticProductの略でNDPはNetDomesticProductの略になります。
違いは頭文字の違いで意味はGrossは「総」でNetは「純」になります。
GDPは「総」なので大きな視点の生産でNDPは「純」なので、純粋な部分の生産だと思っていただいて大丈夫です。
NDPを式で表すと以下のようになります。
国民純所得NDP
国内純生産NDP=国内総生産GDP-固定資本減耗

GDPから固定資産減耗というのを引いたものだというのは分かるんだけど、固定資本減耗ってどっかで聞いたことが。

よく覚えていたね。
昔の記事で解説したよね。固定資本減耗とは減価償却費のことで、簡単にいうと資産の価値を目減りさせる時に使うものです。
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GDPを違う視点で見てみよう!三面等価の原則についてわかりやすく解説
例えば、200万円分の車両を生産した場合GDPとしては200万円が計上されてしまいます。
しかし、車両というのは時間の経過にあわして価値が減少していきます。
この価値が減少する部分が減価償却費になり、経済学では固定資本減耗という名目で表されます。
GDPではずっと200万円の価値になりますが、この車を10年間使う場合、車両の価値は1年でだいたい20万円ずつ価値が下がると考えるのが妥当なので、この例でいくと1年後は200万円の車両が180万円の車両の価値になります。
そしてこの車両の1年後の純粋な価値はいくらかという問いに対して200万の価値と答えるより20万円の減価償却費を引いた180万のほうが理にかなっています。
つまり、NDPとは純粋な価値を示すものでなので、上記の車の例で表すとGDPである車の生産200万円から固定資本減耗(減価償却費)の20万円を引いた180万円が純粋な付加価値のNDPになるということです。
国民純所得NNIと国民純生産NNP

GNPとGNIの違い
それでは、最後にNNPとNNIについて説明します。

これ以上、英文字が出てくると混乱するのね。
この2つの指標の説明の前にここまで説明したGNPともう一つ似たような意味でGNIという指標があるのでそれについて説明します。
GNIは国民総所得とも言われ、結論を言うとこれまで見てきたGNPの国民総生産と結果は同じになります。
違うのは見ている視点が違うということ。
どうゆうことかというと付加価値の合計である生産されたものはすべて爾後的に所得や支出に回るという原則があってそれを三面等価の原則といいます。
簡単にいうと、100万円分の生産は、事後的に100円万円の売上になって、それが会社や個人の所得に100万円分配され、その分配されたものが今度は100万円分の支出に回るような感じです。
イメージは下記の感じです。

三面等価の原則の詳しい内容は下記の記事に書いてあるので、一度ご覧ください。
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GDPを違う視点で見てみよう!三面等価の原則についてわかりやすく解説
つまり、GNPとGNIは数値は同じで見ている視点が違うということだけ押さえていただければ大丈夫です。
NNPとNNIは同じ値
では、これを理解していただいた上でNNPとNNIを見ていきます。
この2つを式で表すと以下のようになります。
国民純生産NNPと国民純所得NNI
国民純生産NNP=国民総生産GNP-固定資本減耗
国民純所得NNI=国民総所得GNI-固定資本減耗
NDPと同じ考え方で、価値の減少分の固定資本減耗を差し引くだけです。
そして、GNPとGNIは同じ数値になるので、NNPとNNIも同じになります。
もうお分かりだと思いますが、NDPとNNP(NNI)との違いは、GDPから固定資本減耗を引くかGNP(GNI)から固定資本減耗を引くかの違いです。
では、ここまででたくさんの指標がでてきたので、最後に表でまとめておきますので、頭の中で整理するときにお使い下さい。
国内(Domestic) | 国民(National) | |
固定資本減耗を引かない(Gross) | 国内総生産GDP | 国民総生産GNP/国民総所得GNI |
固定資本減耗を引く(Net) | 国内純生産NDP | 国民純生産NNP/国民純所得NNI |
まとめ:指標の違いを理解することで経済状況が見えてくる
それでは最後にまとめに入りましょう。
まとめ
・GDPは国内総生産のことで一定期間内に国内で生産された付加価値の合計をいう
・GNPは国民総生産のことで一定期間内に国民が生み出した付加価値の合計をいう
・GDPは国内という地理的な要素で判断し、GNPは国民という人的な要素で判断され、GDPと海外からの純要素所得受取を足したものがGNPになる
・NDPとは国内純生産とも言われ、GDPから固定資本減耗を引いたものをいう
・GNIは国民総所得のことで、国民総生産のGNPとGNIは数値は同じになり、両者の違いは見ている視点が違うだけである
・NNPはGNPから固定資産減耗を引いたもので、NNIとはGNIから固定資産減耗を引いたものをいう
いかがでしたでしょうか?
今回はたくさんの英語の横文字が出てきて大変だったと思いますが、意味をしっかり理解することで、ある程度頭の中で整理できたのではないでしょうか。
経済指標というのは、私達の生活の中で関わってくる大切なものです。
自分の国の経済状況を把握するためにも、経済指標について少しでも興味を持っていただければ幸いです。
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少しでもこの記事が参考になれば嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。