こんにちわ!GYOZUAです。
ベーシックインカムという言葉を聞いたことはないでしょうか?
最近ちょくちょくニュースなどでも流れていると思います。
簡単にいうと、国が国民に対してお金を定期的に支給する政策のことです。
今回の記事では、このベーシックインカムの制度の概要、メリットやデメリット、生活保護との違い、更には金銭ではなく株を支給するベーシックストックの考え方についても解説していきます。
それではいきましょー
え!?何もしなくてもお金が定期的にもらえるの?


そうなんだよ。
ベーシックインカムはあちこちで議論されていて、もしかしたら遠くない未来に導入されるかもしれないんだよ。
へー!おもしろいね。
僕はお金が支給されたら、当然全部ニクマンに使うのね!

この記事を読むと分かること
ベーシックインカムがなぜ議論されているのかが分かる
生活保護との違いがはっきり分かる
ベーシックインカムのメリットと3つの問題点について分かる
ベーシックストックの考え方が分かる
ベーシックインカムとは

国民の生活を支える制度
ベーシックインカムとは、国が国民1人1人に対して最低限の生活を保障するために、金銭を定期的に支給する制度です。
そしてこのお金を受給するには要件がなく、誰でも無条件で受けることができます。
つまり、審査もなく定期的にお金を受給できるということです。
これにより、国民は将来への不安が減り、そのお金で安心して生活をすることができます。

ベーシックは基本という意味でインカムは所得という意味なので、基本(最低限の生活)の所得(金銭)をもらえるという意味になります。
社会保障制度の問題を解決する糸口
日本では、この制度について議論がされている最中であります。
なぜ、今となってこの制度について議論されているかというと、それは新型コロナウイルスの影響により、景気悪化やそれにより全国民に対して10万円の給付(特別定額給付金)をしたことも背景になっております。
また、これ以外にも現状の日本には以下のような社会保障制度の問題があるからです。
社会保障制度の問題
❶年金問題
❷生活保護の不正受給問題
❶の年金問題とは、少子高齢化により年金制度が破綻してしまうリスクです。
少子高齢化ってそもそも何なの?


少子高齢化とは、生まれてくる子供達が減って、高齢者が増えていくことだよ。
そうなると今後働く人が減って、仕事を引退した高齢者が増えていくことで日本の年金制度がもたなくなる問題が出てきているんだ。
少子高齢化で何で年金制度がダメになるの?


日本の年金制度は、賦課方式(ふかほうしき)という制度で成り立っているんだけど、簡単いうと働いている人が払っている年金の保険料を使って、高齢者への年金を支給しているんだ。
つまり、働く人が少なくなればそれだけ年金の財源がなくなってしまい年金制度がもたなくなるかもしれないんだ。
それは大変なのね。

年金制度が破綻してしまうと老後に安心して、生活ができなくなってしまいます。
しかし、ベーシックインカムを導入することで、年金の代わりにもなり、年金がもらえなくなるリスクがなくなり、このお金で生活をすることができます。
❷の生活保護の不正受給問題ですが、生活保護は生活が困窮し、一定の条件に該当した場合に申請することで最低限度の生活ができるように金銭を受給できる制度です。
しかし虚偽の申請等により本来、もらえるはずのない生活保護のお金をもらっている人がいる事実があります。
2019年度のデータによると、不正受給件数は約3万2千件で不正受給額は約130憶円にも及んでいます。
130憶円!?
とんでもない金額なのね。


2015年までは年々増加していっており、その時で約170憶程度まで不正受給額が膨らんだよ。
生活保護との違いは?

ここで、生活保護とベーシックインカムの違いを見ておきましょう。
生活保護は生活が困窮しており、かつ申請及び審査が必要になってきます。
また、生活の困窮度に応じて、人や世帯によって支給されるお金も変わってきます。
生活保護費の計算方法は、その人や世帯の状況に応じて最低限の生活費を計算します。
この最低限の生活費を以下の8つの項目に分けます。この項目は扶助という言葉を使ってあらわしています。
8つの扶助
❶生活扶助:日常生活の費用
❷住宅扶助:住居の費用
❸教育扶助:子供の義務教育の費用
❹医療扶助:医療サービスの費用
❺介護扶助:介護サービスの費用
❻出産扶助:出産にかかる費用
❼生業扶助:就職に必要な技能習得の費用
❽葬祭扶助:葬式関連の費用

扶助の意味は助けるという意味なので、生活保護は生活を助けるという意味になります。
社会保険の考えは相互扶助の考えなので、お互いに助けるという意味になりますが、生活保護の場合は扶助なので国が助けるという意味になります。
上記の8つの扶助を考慮し、合計したものが生活保護費として決まります。
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ですので、年齢や世帯の人数によって生活保護費はバラバラになります。
中には少し年金をもらっている人などは、最低生活費を計算したあとに年金分が差し引かれて支給されます。
また、生活保護費を受給した後に就職など等をした場合には、当然生活保護費は打ち切られることになります。
一方でベーシックインカムの場合には、国民全員に支給するので打ち切られるということは基本的にはありません。
生活が困窮しているという条件はないので、お金持ちであっても子供であっても支給されます。
つまりは無審査で支給されるので、生活保護とは違い行政の審査のコストも削減できるというメリットもあります。
イメージは、今回コロナの影響で支給された10万円の特別定額給付金が毎月支給される感じです。
また一方で、生活保護の場合は原則、国民健康保険料も免除になり、医療扶助として医療費も全額支給されるので、医療費の負担はありません。
しかし、ベーシックインカムの場合は別途公的医療保険に加入するので、国民健康保険料などの支払いが必要になってきます。
また年金制度も生活保護の場合は国民年金保険料の全額免除の対象になりますが、ベーシックインカムの場合は要件に該当しない限り、公的年金制度の保険料の支払いが必要になってきます。
こういった面でも生活保護とベーシックインカム大きく違いがあります。
ベーシックインカムの金額は?
生活保護とべーシックインカムの違いは分かったと思いますが、気になる金額はどれくらいなのでしょうか?
今、日本では月7万円を支給する制度案が出ています。
7万円だと僕の1ヶ月分の肉まん代は何とかカバーできそうなのね。


肉まん代で1ヶ月7万円って食べすぎでしょ。
7万円が多いか少ないかは、個人にとって考え方はバラバラだと思いますが、だいたい国民年金の1月あたりの金額に近い数字になります。
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国民年金は満額で約78万円なので、月に換算すると約6万5千円になりますので、それよりは少し多い金額です。
例えば、4人家族の場合は7万円×4人で28万円が支給されることになります。
個人差は当然ありますが、贅沢さえしなければ食べていくことは可能なのではないでしょうか?
その他のメリット
ここまでの説明を聞いてベーシックインカムは国民1人1人に支給することで、生活を支えることができるし、年金問題や生活保護の不正受給問題への手助けになることは分かったと思います。
その他にもメリットして以下のことが挙げられます。
その他のメリット
❶少子化対策の手助けになる
❷地方の活性化
❶の少子化対策の手助けになることですが、この制度により子供を産みやすい環境が生まれ経済が発展する可能性が出てきます。
なぜなら、ベーシックインカムは1人1人に平等にお金を支給するので、子供が生まれるたびに世帯の所得が増えることになります。
現状の日本では、子供が生まれてもそれを支える所得補償が不十分な状態です。

15歳の誕生日後の最初の3月31日までのお子さんに対して支給する児童手当という制度がありますが、1万円から1万5千円程度で金額もそれほど多くありません。
しかし、先ほどの話ではベーシックインカムの場合は1人あたり7万円が支給されるので、子供を産むことで世帯所得が増え、長い目でみた場合には少子化対策になる可能性があります。
そして、人口が増えることで消費が増え経済が成長する可能性もあります。
❷の地方の活性化についてですが、日本では人口が少なく過疎化している地域がたくさんあります。
人口が少ない地域は、人口が多い都市部と比べて家賃などの生活コストは当然安くなります。
しかし、その場所で収入を多く稼げる仕事が少ないため、生活コストが安くても移住する人は少ないのが現状です。
しかし、ベーシックインカムで一定収入を確保できるのであれば、そういった地域に移住する人が増える可能性が出てきて、その地域の人口が増えていき地域の活性化が期待できます。
また最近では、リモートワークも増加傾向なので、この制度が導入されることでさらに地域活性が加速するかもしれません。
ベーシックインカムの問題点は?

メリットもあれば当然デメリットもあります。
次はベーシックインカムの問題点を順番に見ていきましょう。
考えられるのは以下の3つです。
ベーシックインカムの問題点
❶現在の社会保障制度の撤廃
❷財源の確保
❸労働意欲の低下
社会保障制度が撤廃
まず❶の現在の社会保障制度が撤廃される問題についてですが、先ほど申し上げた、年金や生活保護の根本的な問題は財源不足ということが本質になります。
つまり、言い換えるとベーシックインカムをするから、年金も生活保護もいらないよねってことになりかねません。
すべての給付がなくなるわけではないと思いますが、仮に制度が実施されるとなると、間違いなく既存の社会保障の金額を減額する検討が行われると思います。
人によっては、この制度の実施により、実質的にもらえる金額が減る人も出てくると思います。
財源の問題
次に❷の財源の確保の問題ですが、シンプルにこの制度を実施するにあたって、財源はどこから持ってくるのかという問題に突きあたります。
仮に全国民に毎月7万円を支給すると考えた場合に、年間で約100兆円になります。

日本の人口は約1億2千万人なので、単純に7万×12月×1億2千万で約100兆円になるということです。
この100兆円とはどのくらいの金額というと、日本の年間の国家予算と同じくらいになります。
そんなお金用意できるわけないじゃないか。

そこで確保するためには、❶で取り上げた社会保障のお金を回すしかありません。
ちなみに社会保障のお金は税金以外に年金の仕組みで説明した賦課方式による保険料も使われているので、そのお金を合わせると約120兆円ぐらいになります。
それだと財源は確保できるのですが、人によっては損する人も出てきます。
それか、財源確保のため医療費や税金を上げて財源を確保するといった強行手段をとるかもしれません。
このように財源を確保するには、色々と乗り越えなければいけない壁があります。
働き手がいなくなる
❸の労働意欲の低下についてですが、ベーシックインカムでお金をもらえるようになったということは言い換えると、働かなくても生活ができるということにもなります。
つまりは、労働意欲がなくなり、仕事をする人が激減する可能性があるということです。
そうなってしまうと、人気のない仕事は今後は誰もしなくなり、結果、生産者がいなくなり、多くの会社が世の中から消えてしまうかもしれません。
こうなると、人気のある仕事だけが残るか、魅力のない仕事をしてもらう為に企業は給料をあげるといった方法で人員の確保をしなければならず、会社の利益は減る一方で、生産性が低い会社は生き残っていけません。

大手企業はロボットやAIで人手不足を解消できるかもしれませんが、中小企業は資金がないので設備投資ができず、倒産してしまうかもしれません。
そして、多くの人が中小企業で働いているので、会社が倒産することで仕事がなくなり、制度導入前より所得が少なくなる可能性もあります。
一方で個人で優秀な方は仕事が確保でき、ベーシックインカムによる所得もあるのでどんどん稼げる可能性もあります。
ですので、能力の差によって所得格差がさらに開いてしまうかもしれません。
ベーシックストックとは

現金の代わりに株を支給する
ここまで聞いて、ベーシックインカムの制度の概要やメリット、デメリットについて理解できたと思います。
どんな制度でもいい点も悪い点も必ず存在するので、今後それらを踏まえて議論されていくのだと思います。
最後に、このベーシックインカムの話題が世の中に広まり、一定の投資家の間で出てきたベーシックインカムに変わるおもしろい考え方があったのでご紹介いたします。
制度の名前は、ベーシックストックと言われる制度です。
ベーシックインカムのように定期的に支給するという考え方に違いはないのですが、支給するものがお金ではなく株を支給したらどうだという考え方です。
株ってなに?


株というのは正式には株式といい、簡単にいうと会社の価値を示す証明書みたいなものなんだ。
例えば、Aという会社に100万円の価値があって、株式が100枚あった場合は1枚あたり価格は1万円になるってことだよ。
この株は、誰でも簡単に株式市場というところで買うことも売ることもできるんだよ。
わかったような、わからないような。
株を買って何かいいことってあるの?


例えば、応援したい会社があって将来この会社は成長するであろうと見込んで、1万円の株を購入したとするね。
何年後かに本当に成長して株の値段が2万円になったらどう?
なるほど!そうゆことなのね。
安いときに買って会社の価値が上がった時に売れば、差額の1万円分の肉まんを食べれるってことなのね。
株って素晴らしいね。あっ!?でも逆もあるってことか。

株の値段、いわゆる株価は、景気や会社の成績、国の政策などさまざまな要因で毎日のように変化していきます。
ですので、買った時より高くなることもあれば、安くなることもあります。
ベーシックストックはこの価格が変動する株を配ろうって話です。
どの株を配るかというと日本銀行が保有している株を毎月、国民に配ったらおもしろいんじゃないかという話が出ています。
実は日本銀行というのは、関節的に日本企業の株式を大量に保有しています。
どのくらいの株式を持っているかというと2021年3月末で約50兆円(東証1部で上場している日本企業全体の約7%)ぐらいです。
この50兆円を財源にして、国民に配ったらどうだという話です。
お金とは違い、その時の受給のバランスによって変化していくので、仮に今月、国民に7万円分の株を配ったとしても来月には8万円の価値になったり、6万円の価値になったりする可能性もあります。
この部分だけを聞くと、ギャンブル性が高くて危険だと思いますが、私は全国民で日本の会社を支えているという感覚になり、おもしろいのではないかと考えています。
株価というものは、基本的には会社の成績がよいと株価が上がり、成績が悪いと株価は下がりやすい傾向があります。
つまり日本が良くなると国民が保有している株の価値が上がり、逆によくないと下がるということになるので、国民全員が経済や日本の会社について真剣に考えるようになる可能性が出てきます。
そうなると、若い人達の声も政治に届きやすくなり、国民全体で日本を変えようとする動きが出てくるのではないかと期待しています。
日本がよくなると海外からの評価もあがり、日本の価値が上がる可能性もあるし、自分達が働いている会社も良くなり、給料も上がるかもしれません。
また、今までは日本銀行が株の売買のコントロールを実質的に握っていたので、国民が持つことでその部分が解消され公平な株式市場になるかもしれません。
そういった意味でこのベーシックストックという考え方は非常におもしろいなと思いました。

この考え方は、現時点で政府などで議論されている内容ではなく、あくまでも私が話を聞いて、この考え方はおもしろいなと思ったので、ご紹介させていただきましたのであらかじめご了承下さい。
あとがき
いかがでしたでしょうか?
日本ではベーシックインカムを導入するにはさまざまな課題があり、実現するには時間がかかると思います。
実際に世界各国ではベーシックインカムを実験的に行い、どうなるかを検証している所も多くあります。
そして、実験の結果、幸福度や心身の健康が良くなったという報告もされています。
この制度がいいかどうかについては、まだまだ議論や研究の余地があると思います。
またベーシックストックのような考え方もどんどん出てくるかもしれません。
こういった制度があることを私達は常日頃から考え、この制度によってどうゆう生活になるのか、どうゆう問題が出てくるのかを考えておく必要があると思います。
また自分自身で資産運用を行い、マイベーシックインカムを作ることも大切なのかもしれません。
この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。
それではよい1日を!
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