こんにちわ!ぎょうざです。
今回は、簿記の世界では基本である貸借対照表について分かりやすく解説していきたいと思います。
経理をされている方や会社を経営されている方は馴染みが深いと思います。
しかしそれ以外の方は、簿記の名前は知ってるけど、よく分からない。
または、簿記が何となく重要でありそうなのは分かるけど、
「簿記の勉強をするのがめんどくさい」
「経理に任せておけばいいんじゃない?」
などと思うかも知れません。
正直、私は本来の仕事が経理に関連するものでないのなら、簿記の細かいルールや処理の方法までを覚える必要はないと思っています。
ただ、その会社に所属しているからには最低限、自分の会社の状態を把握しておく必要があると思っています。
そうでないと、会社の活動が正しく機能しているのかもわからず、やみくもに仕事をしてしまい、それが結果に結びついていないこともあるからです。
また、会社が危機的状況であるにもかかわらず、それを知らず急に倒産になり、明日から仕事がなくなるかもしれません。
そうした危機的なサインを把握するためにも、簿記の最低限のことを学ぶことが必要だと思います。
簿記を学んだことのない方でも、できるだけ分かりやすいようにを解説していきますので、最後までお付き合い下さい。
貸借対照表を理解することで、会社が貧乏なのかお金持ちかどうかを判断することができますよ。
それではいきましょー

たいしゃくたいしょうひょう?
早口言葉みたいだね。
これで何が分かるの?

貸借対照表は会社がどれくらいの財産を持っているかを一目で分かる優れものなんだ。
会社を経営する上ではとても重要な表なんだよ。
本記事を読むとわかること
簿記の基本について学べる
簿記が分からない人でも貸借対照表が見れるようになる
会社が貧乏かお金持ちかの判断ができるようになる
自己資本比率について分かる
本記事の信頼性

ぎょうざ (@gyouza_maney)
この記事を書いている僕は、経営に関するの資格を多数保有しており、現在は複数の会社を経営しております。
貸借対照表とは

会社の財産の状態を把握するもの
会社というのは、お客さんにサービスや商品を販売し、利益を確保するために毎年活動をしています。
そして利益に対して税金を納めなければなりません。
そのためにも活動内容を毎年、税務署に報告をする必要があります。
報告内容は簡単に言うと、以下のとおりです。
報告内容
➊1年間の会社のもうけがどうだったか
➋1年の活動のあとに会社がどれだけ財産(お金や建物)を持っているのか
実際には、上記の他にも報告内容がありますが、大まかには上記の2点を報告すると思っていただければ大丈夫です。
税務署に報告するために、上記の2つの報告書を作成しなければなりません。
➊の会社のもうけを表す報告書を損益計算書といい、➋のどれだけの財産を持っているかを表す報告書を貸借対照表といいます。
➊の損益計算書は別の記事で解説していますので、詳しくはそちらをご覧ください。
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起業したい人は必見!会社の利益は一つじゃない!損益計算書をわかりやすく解説
今回勉強するのは、どれだけのお金や建物といった財産を持っているかが分かる貸借対照表について見ていきます。
資産と負債と純資産
貸借対照表の項目は、大きく3つに分かれます。
3つの項目
➊資産
➋負債
➌純資産
そしてこの項目は、先に結論を言うと以下の関係が成り立つようになっています。
資産=負債+純資産

式を見る限り、負債と純資産というものを足したものが資産になるのは何となく分かるけど、負債と純資産と資産が何なのかわかんない。
それでは、各項目を一つ一つ見ていき
ましょう。
まずは資産ですが、これはお金や建物、土地、車両などのことをいいます。
例えば、100万円のお金と200万円の車が会社にあった場合は、資産は300万円あるというということになります。
イメージは下記の感じです。

次は負債ですが、これは将来返さなければならないもののことを指します。
つまりは借金です。例えば200万円の借金があった場合は負債は200万円になります。

最後は純資産です。
会社を設立するには、事業主が会社を運営するため一定の運転資金が必要になります。
この初めに用意する運転資金を資本金というのですが、この資本金が純資産になります。
また、会社を運営すると1年間ごとに毎年会社の利益を計算するのですが、この利益の蓄積も純資産になります。
例えば会社設立のために50万円の資本金を用意し、会社を1年間運営した結果、利益が50万円が出た場合は純資産は100万円になります。

純資産とは言い方を変えると、正味の資産のことを言います。

正味の資産って何なの?

例えば今、手元にお金が100万円あったとして、その内訳が70万円は自分で用意したしたお金だけど、残りの30万円は銀行から借りてきたお金だとすると、純資産は70万円になるということなんだ。
手元のお金100万円は先ほどの資産に該当するけど、その中のうち30万は借金の為、他の人の財産(負債)になります。
つまり正味の資産とは自分で用意できたお金のことで、資産からの負債を引いたものが純資産になります。
会計上は純資産以外に自己資本とも呼ばれています。
式を分解すると
資産=負債+純資産
↓
純資産=資産-純資産
左右が一致する
ここまで、なんとなくですが資産と負債と純資産について分かったと思います。
それでは実際に貸借対照表を見ていきたいと思います。
貸借対照表には絶対的なルールががあり、それは左と右のグループに分けてその各グループの値は左右で必ず一致する。というルールがあります。
左のグループには資産が該当し、簿記の世界では借方【かりかた】といいます。
そして右のグループには負債と純資産が該当し、貸方【かしかた】といいます。
貸借対照表のイメージは以下のようになります。

先ほどの式で資産=負債+純資産と表してしていたものを表(ブロック)で表すと上記のようになります。
貸方(右)というグループと借方(左)というグループを作り、合計の値が一致し左右対称になるので貸借対照表とも言われています。
貸借対照表を実際に作ってみよう
貸借対照表を視覚的には理解できたと思うので、実際に例で会社の活動内容を順番に書いて、その活動内容に合わせて表を作っていきます。
本来は仕訳という会計処理をして作成するのですが、今回は簿記が分からない人でも分かるように、活動内容に応じて文章と図解で解説していくのでそのあたりはご了承下さい。
❶経営者が自分の会社を作るため、自分の貯金から100万円を用意しそのお金を資本金として会社に100万円を入れた。
まず、100万のお金が会社に入り資産が100万円増えます。さらにそのお金は資本金として会社に残るので純資産も100万円が増えます。


この時点で負債は発生していませんが、資産=負債+純資産の関係が分かるように0でも図解には記載しています。
❷会社の運営に100万円だとお金が足りないので銀行から200万円を借りた。
銀行から200万円を借りれたのでお金が200万円増え会社の中のお金が100万円から300万になり、資産が300万円に増えます。
そして200万円の借金を抱えたので、負債が200万円分増えます。

❸会社の運営に車が必要になったので会社にある100万円のお金を使って100万円の車を購入した。
会社にある300万円のお金のうち、100万円を使ったのでお金が300万円から200万円に減ります。
一方100万円分の車が増えたので、車という資産が100万円分増えます。
この場合はお金という資産が100万円減り、車という資産が100万円増えたので資産の合計額はそのままになります。

❹会社の経営を1年行って清算した(決算を行った)所、1年間で50万円の利益が出たのでそれを会社の中に入れた。
利益の50万円が会社に入ったので利益である純資産が50万円分増え資本金と合わせて150万円になり、実際にお金も50万円分増えたので資産も300万円から350万円に増えます。

❺銀行の借金200万円は1年ごとに20万円を返済する予定だったので、銀行に20万円返済した。
銀行の借金を返したので負債が200万円から180万円に減り、返済のためにお金を20万円分支払ったのでお金が250万円から230万円に減ります。

このように会社の活動内容を一つ一つ追っていくことで、貸借対照表が変わっていったのが目にみて分かったのではないでしょうか。

確かに、これでお金が増減や借金が減ったりしたいくのが貸借対照表の動きを見て分かるようになったよ。
簡単な財務分析をしてみよう

会社が危ないかどうか分かる
ここまでで、ある程度、貸借対照表がどうのようにして出来上がっていっていくのかが、分かるようになったと思います。
最後にこの貸借対照表の見方を簡単に解説していきたいと思います。
貸借対照表の本来の使い方は、会社がどのような状態であるのかを判断するものです。
ここで考えていただきたいのが、どうなれば危険な状態かということです。
それは資産に対する純資産の割合を見れば分かります。

割合?
例えば、会社がお金を1億円もっているとします。つまり資産が1億円ある状態です。
これだけ聞くと「1億円も資産を持っているんだ。すごいな」と思うかもしれません。
では、上記の文章に言葉を足してみましょう。
1億円のお金はあるけれど、その内9000万円は銀行からの借金で自分のお金は1000万円しかない。
このように言われると、この会社大丈夫なのかと思うはずです。
つまり、資産のうち、負債がいくらあるのか、純資産がいくらあるのかを見れば会社のある程度の安全性や倒産リスクを判断することができます。
先ほどの純資産の割合というのは、1億円の資産のうち1000万円しか純資産がない場合は純資産の割合は全体の10%しかないということになり危険ということです。
自己資本比率
では、もう少しだけ専門的な用語使って会社の分析をしてみましょう。
先ほどの資産に占める純資産の割合のことを、財務分析をするときの用語で自己資本比率といいます。
資産の内訳で負債の部分を他人資本(他人のお金)といい、純資産の部分を自己資本(自分のお金)というので、自己資本が資産のどれくらい比率であるかを表すので自己資本比率と言われています。
例えば資産が1000万円、負債400万円、純資産が600万の場合は自己資本比率は60%(600万÷1000万)になるということです。
業種にもよるのですが、だいたい自己資本比率が50%以上あれば安全だと言われています。
ただし、お金をいっぱい借りて、他人資本(借金)をうまく活用して、それで会社の利益をどんどん出している企業も多いので自己資本比率が低いからといって倒産するというわけではありません。

アメリカなどの企業は自己資本比率が低い所が多いです。
それは他人資本を活用して、多くの設備投資し、それで利益を生み出し成長している企業が多いからです。
会社が危ない状態かを確認する方法として、例えば、直近の5年ぐらいの貸借対照表を並べてみて、毎年のように自己資本比率が低下していて、なおかつ会社の売上がどんどん減少している場合、会社的にかなり危ない状態であるというのが分かります。
ですので、1年だけで判断するのではなく、何年も見て判断することが大切になります。

自己資本比率は、株をやっている人などはよく聞くワードだと思います。
実際に自己資本比率をみて、会社の安全性を判断して投資を実行するかどうかを判断している人も多いです。
まとめ:貸借対照表を見ることで会社の安全性や未来への判断予測ができる
いかがでしたでしょうか?
今回は貸借対照表の作り方と基礎的な見方を見ていきました。
それではまとめに入りましょう。
まとめ
貸借対照表とは財産の状態を把握するものである
貸借対照表は資産と負債と純資産の3つの項目にわかれる
左のグループが借方で右のグループが貸方であり左右の数字は一致する
自己資本比率とは、自己資本が資産全体のどれくらいの割合であるかを表すもの
自己資本比率は50%以上あれば安全と言われている。
実際の簿記の世界では、資産、負債、純資産の項目は、もっと細かくあらわされています。

例えば、資産の中にも流動資産と固定資産といった感じで資産の種類に応じて細かく設定されています。
しかし、基本の考え方はこの記事で書いた通りです。
実際に会社の決算書を見て、自分の会社がどうなっているかを見てみるとおもしろいと思います。
また貸借対照表は英語でバランスシート(Balance Sheet)と呼ばれ、日本でも略してBS(ビーエス)とよく呼ばれています。
会議なので、BSというワードが出たら貸借対照表のことだと思っていただければ大丈夫です。
実際に会社の安全性や収益性を正しく、把握するには貸借対照表以外に以前の記事でも書いた損益計算書も合わせてみると把握することができます。
それ以外にもキャッシュフロー計算書というお金の流れが分かる会計書類などもあり、それらを多角的に分析することでさらに深堀りした経営分析をすることが可能になります。
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黒字倒産を防げ!キャッシュフロー計算書を理解してお金の流れを掴もう!
会計書類をしっかりと見ることで、企業のこれまでの軌跡や今後どうなっていくかもある程度予測することができます。
またもう少し詳しい貸借対照表の見方や分析方法について知りたい方はこちら記事でも解説しているのでご覧ください。
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貸借対照表をさらに分解しよう!資産・負債・純資産の各項目をわかりやすく解説!
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少しでもこの記事が参考になれば嬉しいです。